平成
29
年度
博士後期課程進学説明会
平成
29
年
7
月
25
日
東北大学
工学部長・工学研究科長
2
博士への期待
イノベーション創出を通じ、国際社会でリーダーシップを発揮するには、
理工系博士育成の充実、活躍の促進
高度な専門性
課題解決能力
価値創造力
多様な価値観を理解した上に成り立つ、
判断力
創造力
資料:小川紘一「プロダクト・イノベーションからビジネス・イノベーションへ」(2008)
加速する 崩壊速度
何が起きたのか?
次々にシェアを失い
崩壊した
開発・量産化・市場・特許数(70%) すべて日本がリードしたが 崩壊速度が加速し10~5年になった.
5
TOKYO TECH 八大学工学系連合会5
Eight-University Engineering Association
博士学位取得者数の国際比較
実質GDPと理工系博士号取得者数の推移
諸外国は一人当り実質GDP増加(経済成長)に対して博士号取得者 数も増加傾向にあるのに対して、日本の近年は実質経済成長に対して 博士号取得者数の伸びが見られない。
出典:村上進亮、高橋浩之、加藤隆史、光石衛、博士号取得者数の国際比較、工学教育(J. JSEE), 61-6 (2013)
・
各国の博士号取得者数と経済規模(GDP)を回帰分析したとき、欧米諸国はほぼ回帰線(標準的
な数)近傍にあるのに対して、日本の博士数はグローバル標準の半分程度の少ない位置にある。
・
理工系博士号取得者数の推移をみると、英、独、韓、中は、一人当り実質GDP増加、すなわち経
済成長を反映して博士が増加しているのに対して、わが国は博士数の伸びが見られない。
理工分野の博士号取得者数と経済規模
資料:2010年までは総務省「国勢調査」、2015年以降は国立社会保障・人口問題研究所
「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」の出生中位・死亡中位仮定による推計結果を基に作成
65
歳以上人口
3,700
万人
(
人口の
40%)
.0
.5
1.0
1.5
1
9
5
0
年
1
9
5
5
年
1
9
6
0
年
1
9
6
5
年
1
9
7
0
年
1
9
7
5
年
1
9
8
0
年
1
9
8
5
年
1
9
9
0
年
1
9
9
5
年
2
0
0
0
年
2
0
0
5
年
2
0
1
0
年
2
0
1
5
年
2
0
2
0
年
2
0
2
5
年
2
0
3
0
年
2
0
3
5
年
2
0
4
0
年
2
0
4
5
年
2
0
5
0
年
2
0
5
5
年
2
0
6
0
年
人
口
(
億
人
)
19
歳以下人口
20
~
64
歳人口
65
~
74
歳人口
75
歳以上人口
2050
年の日本
人口の年齢別構成
7
40
23
30
0
20
40
60
80
100
120
1900
1950
2000
2050
人
口
(
億
人
)
年
資料: UN, World Population Prospects: The 2010 Revisionデータを基に作成
富裕層人口
30
億人
(3
人に一人が富裕層
)
14
25
2050
年の世界
中間層
($5,000/年以上)
富裕層
($35,000/年以上)
貧困層
GDP 1次エネルギー
消費量
300
1
次エ
ネ
ル
ギ
ー
需要
(億
ト
ン
)
G
D
P
(兆円)
3万
200
100
2万
1万
0 50 100 150 200 250 300
40
20
10
携帯,白物家電市場 中間層人口とリンク
自動車産業市場 富裕層人口とリンク
博士への期待
資源やエネルギーの乏しい日本が、先進高齢化社会のなかで世
界に誇れる豊かな国であり続けるためには、
・世界で最も優れた未来の夢をかなえる研究
・生まれ変わる社会の変革を主導する人材の育成
•
基盤研究
:真理の探究
夢の先見
•
戦略的研究
:課題の解決
社会貢献
研究は,人間育成の最良の過程
教育
/
指導的人材の養成
未解明の事象に果敢に挑戦・苦労の末に課題を解決
➜
自然の偉大さの前に,好奇心を育み,感性を磨き,挑戦する勇気・責任感を養う
9
TOKYO TECH 一般社団法人八大学工学系連合会Eight-University Engineering Association
科学技術を基盤に産業を牽引する博士人材育成の提言
基本コンセプト
【産官学が連携する取り組み】
社会のニーズと博士人材に期待され る役割を徹底的に考える場を産官学 連携して構築し、博士課程教育改革
を推進。
産官学連携で
正の循環を!
<産学共同研究の推進>
【大学・産業界に求める取り組み】
共同研究のテーマから学術的要素を抽出して、 博士課程学生が研究課題として取組める研究を推進。
学から産へ応用展開力を養成。
<博士インターンシップの拡充>
【産業界・大学に求める取り組み】
博士課程学生が中長期インターンシップにより、 科学技術の社会的価値を体験できる場を提供。
<優秀な学生の博士課程進学を促進>
【大学がなすべき取り組み】
向上心が強く勉学意欲の高い学生が博士課程に進学す る取組を強力に推進。
<博士課程学生に明るい
キャリアパスを確保>
【産業界に求める取り組み】
博士課程修了者の採用数の増加。 キャリアと能力に見合った給与の支給。
イノベーション創出マインドの醸成。
<学生への経済的支援の充実>
【政府・産業界に求める取り組み】
博士課程学生に対する、給付型奨学金、授業料免 除、特別研究員採用、TA・RA雇用等、
手厚い経済的支援を実施。
<魅力あるリーダ育成プロ
グラムの設計と実行>
【大学がなすべき取り組み】
専門知識とともに課題解決能力、指導 力を徹底的に鍛える教育プログラムの